「緑ナンバーを取って運送業を始めたい」
「でも、資金も人も足りない…」
そんなあなたに向けて、今回は開業直後にやるべきことと、初期投資を最小限に抑える現実的な方法を解説します。
結論から言えば、資金ゼロからでも事業化は可能です。
ただし、やるべき順番と抑えるべきポイントを間違えると、失敗するリスクも高まります。
✅ 小規模運送会社が最初にやるべき5つのこと
① 小さく始める「1人+1台」の営業計画を立てる
最初からドライバーを何人も雇ったり、大型車を何台も入れる必要はありません。
まずは**自分1人で始める「超スモールスタート」**を意識しましょう。
💡スタートモデル例
- 自分1人+2tトラック1台
- 1日1~2便の地場配送案件
- 収益目標:月60~80万円(粗)
無理なく利益が出る規模から始めることで、資金繰り・オペレーションの失敗リスクが激減します。
② 先に「案件を確保」してから始める
ありがちな失敗は「とりあえず会社を作ってから仕事を探す」パターン。
緑ナンバーを取得しても、仕事がなければ意味がありません。
まずは荷主探し(営業)と案件確保が先。
開業前に1社でも継続案件を見つけられれば、経営は一気に安定します。
✔営業先例
- 地元の食品メーカー
- 建材・雑貨・配送代行会社
- EC倉庫や地場問屋
③ 自社で完結しない!“パートナー企業”を持つ
すべて自社で完結しようとすると、資金・人材・車両のハードルが一気に高くなります。
そこでおすすめは、以下のようなパートナー連携です:
業務 | パートナー例 |
---|---|
車両リース | 中古トラックリース会社/トラックレンタル |
車庫 | 他社の空き地・倉庫を借りる(シェア) |
ドライバー人材 | 協力会社/副業ドライバーと業務委託 |
配車補助 | 外部配車アプリ/業務支援ツールの活用 |
④ 書類・申請業務は専門家に任せる
運送業の許可申請は複雑かつ審査が厳格です。
素人が1からやろうとすると、半年〜1年かかることも。
行政書士や運送業専門の申請サポートを活用すれば、
・正確に申請が通る
・工数が激減する
・開業スピードが早まる
というメリットが得られます。
⑤ 「地域密着」で小さく稼ぐことを最優先する
まずはエリア特化・距離短め・定期便といった安定案件を狙いましょう。
例:
・市内~隣接エリアの建材配送(定期)
・飲食店への納品ルート便(早朝)
・EC倉庫からラストワンマイル配送
長距離や単発よりも、「決まった仕事で毎月安定する」案件が最優先です。
💰 初期投資を最小限に抑えるための6つの具体策
1. 新車はNG!まずは「中古トラック+リース」
トラック1台で300万〜500万円。
初期にこれを全額キャッシュで買うのは非現実的。
💡現実策:
- 中古トラックをリース(月3~6万円)
- 「使用権契約」で許可申請にも使用可能
- 将来買い替え時に償却しやすい
2. 車庫は「月極」「間借り」でコスト削減
専用の土地を買う必要なし。
他社倉庫の空きスペースや知人から使用承諾を得て契約する方法も。
月額:1万~3万円で確保できるケースあり
3. 事務所は「レンタルオフィス」や「住居併用型」で工夫
用途地域がクリアできれば、住居兼事務所やシェアオフィスを活用可能。
登記や契約上問題がなければ、費用は大幅削減。
4. 法人登記は「合同会社+最小資本金」でスタート
株式会社ではなく**合同会社(設立費10万円前後)**でも、緑ナンバー取得は可能。
資本金も最低1円でOKですが、信用面を考え30万〜50万円以上が理想。
5. 補助金・助成金を活用
自治体によっては、
- 開業支援補助金
- 車両導入支援
- 雇用助成金
などが活用可能です。
創業時は「使える制度はすべて使う」が鉄則。
6. 配送業務管理ツールで“人件費”を圧縮
- 配車管理
- ドライバー勤怠
- 車両管理
などは、**安価なクラウドサービス(月額数千円)**で代用可能。
人を雇うよりよほどコスパが良いです。
✅ まとめ:無理せず、でも止まらず。まずは“0→1”へ
軽貨物から一歩進んで、運送会社を立ち上げたいあなた。
やることは多くても、順序さえ守れば最小投資で現実的にスタート可能です。
最初は「1人+1台+1案件」で十分。
確実に収益を出しながら、少しずつ拡大していく。
それが、潰れない・無理のない「正しい運送業の始め方」です。
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